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MBA(経営学)を独学で学びたい人の為の教科書(テキスト) Part 2 [MBA]

★ サプライチェーン関連 ★

サプライ・チェインの設計と管理―コンセプト・戦略・事例

サプライ・チェインの設計と管理―コンセプト・戦略・事例

  • 作者: 久保 幹雄, D. スミチ・レビ, E. スミチ・レビ, P. カミンスキ
  • 出版社/メーカー: 朝倉書店
  • 発売日: 2002/01
  • メディア: 単行本

サプライチェーンは来学期からの履修になるのですが、予習用として購入。こちらも多くのビジネススクールで使用されている教科書の日本語翻訳版です。

巷のSCM本の殆どが「SCMってこんな感じのもの」といった表面をなぞって紹介するだけのものであるのに対し、本書では実際の企業の事例を通じたSCM構築のコンセプト、方法論をきめ細かに説明していきます。MBAの統計学の授業ではお馴染みの線形計画法による最適化の実例等もあり、OPS-GUYにはたまらない一冊ですね(笑)。

7000円と、信じられないくらいの良いお値段がしますが、巷の書店で1000~2000円の使えないSCM本を買うことに比べると遥かに有益な投資と言える本書籍、実務でSCMに携わった経験のある人でも充分に読む価値のあるものだと思慮します。

★ マーケティング関連 ★

コトラーのマーケティング入門

コトラーのマーケティング入門

  • 作者: 恩蔵 直人, フィリップ コトラー, ゲイリー アームストロング
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: 単行本

おなじみコトラーによるマーケティング本の定番となる一冊です。

約700ページというボリュームにより4PやPositioning等、マーケティングにおける基本コンセプトを網羅しているので、本棚に常備してリファレンス的に使うと便利な一冊です。

また、マーケティングに興味のある人が少しずつ時間のあるときに読み進めたりするのにも向いてる本だと思います。

ただ、やっぱりマーケティングというのもコンセプトだけではどうにもならないものだと思うので、やはりタイトル通り「入門」レベルにとどまる一冊であり、実践レベルとは若干の乖離があるような気もします・・。

MBAのマーケティングは4P等のコンセプトの理解よりも、統計学を用いたデータ分析のほうが圧倒的に実践的であり面白い部分だと思うのですが、その辺をカバーしている教科書というのがなかなか翻訳されていないようです(私が知らないだけかもしれませんが・・)。

★ ファイナンス関連 ★

新版 ファイナンシャル・マネジメント ― 企業財務の理論と実践

新版 ファイナンシャル・マネジメント ― 企業財務の理論と実践

  • 作者: ロバート・C・ヒギンス
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2002/10/01
  • メディア: 単行本

私はファイナンスに関しては門外漢なので(MBAに来ててこんな言い訳通じるのかどうか知らないけど・・)、この分野に関してはあまり偉そうに口を挟めないのですが、門外漢の立場としてこれは素晴らしい!と思ったのが本書。やはり米ビジネススクールでの定番的教科書の翻訳本です。

企業活動の集大成とも言える財務諸表(損益計算書、賃借対照表、キャッシュフロー計算書)、これをもっとよく勉強し、深く理解したいと思っているビジネスマンは沢山いると思います。私もそのうちの一人でした。

しかし、じゃあどうやって勉強すれば良いかというと、これがなかなか良い勉強材料がないんですよね。

まず思い当たるのが簿記の勉強ですが、やはり3級とか2級の簿記の勉強というのはどちらかというと仕分け等の実務にフォーカスしている傾向があり、マネージャーレベルの財務諸表リテラシーを養うのとはちょっと方向性がズレている気がします。

だからといって巷の書店に溢れている「10分で分かる財務諸表」とか「やさしい財務諸表の読み方」といった入門本、私も買ったことありますが、確かに入門用としては優れているのかもしれないけれども、如何せん内容が浅すぎる・・。入門用があるのなら中級者用、上級者用もあるのかと思えばそういうのも見当たらないし・・。

という具合に「財務諸表の勉強材料難民」としてなかなか良い勉強材料に出会うことの叶わなかった私でしたが、ついに本書という非常に優れた一冊を見つけ出すことが出来ました(Amazonは素晴らしい!)

本書では440ページという大量の紙面を割いて財務諸表の解釈やその評価、予測といった「財務分析」にガッチリとフォーカスを置いており、いわゆる公認会計士や税理士等の財務のプロとはまた異なった(どう異なっているのかは実はよく分かりませんが、なんとなく・・)、ビジネスマンの為のコーポレートファイナンスの教科書と呼び得るものだと思います。

なので、例えば経理部門等で働きたいわけではないけど、とりあえず会社のお金の流れを少しは分かるビジネスマンになりたい・・などと思ってる方には非常にお勧めの一冊だと思います。

★ 最後に ★

というわけで、現時点でお勧めできるMBA(経営学)独習用の書籍を数冊挙げてみたわけですが、見てお分かりのように、いずれもアメリカのビジネススクールで教科書として使われている本の日本語翻訳版が殆どを占めています。

というのもやはり、アメリカの大学の教科書(特に経営学の分野)というのは、教授と出版社が一体となって「理解と実践」というものに最大のプライオリティを置いて作り上げられたものなので、その分かりやすさと実用性においては、日本の大学教授が自己満足のみで書いた(そして自分の授業だけでしか使われないような)教科書や、出版社が適当なライターと屁をこきながら作ったような無価値な入門本とは、まさしく雲泥の差があるわけです。

ちょっと話が逸れますが、今の出版業界の潮流なのかもしれませんが、キャッチーなタイトルでライトな読み口の本ばかりを取り上げるあまり、こういった腰を据えて読まないといけないような本の存在がとことん軽視されている気がします。というか、「鈍感力」みたいに「老人力」のパクリなのかなんなのか、いずれにせよそんなどうでもいい本ばかり読んでどーすんだ!と思います。

エンターテイメント部門では世界トップレベルとも思える作家や作品が続々出てきているのに対して、日本のノンフィクション部門の書籍、特に最近の売れ筋の本というのは、もう本当に毒にも薬にもならないというか、私が始皇帝だったら残らず焚書にしてるね!というようなレベルの本ばかりですね。

ちょっと最後、鼻息が荒くなってしまいましたが、また残りの半年間で良い本を見つけることが出来れば、こちらで紹介していきたいと思います。


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MBA(経営学)を独学で学びたい人の為の教科書(テキスト) Part 1 [MBA]

日本の本屋にも最近は「MBA流~」とか「MBA~術」など、MBAの名を語る本をよく見かけます。

が、実のところ、これら「MBA」の名前を冠した本の95%以上は買うに値しないものだと思います。何を隠そう私自身、こういった類の本を少なからず購入したことがあるのですが、ひとつとしてタメになると思えた本がありません・・。

理由としては

「内容が浅すぎる」

これにつきると思います。

こういった類の本を買う人の殆どは

①「これらの本からMBAのエッセンスを吸収し、仕事に活かしたい」

あるいは

②「MBAではいったいどのようなことを学んでいるのか興味がある」

というような、独学でMBAについて学びたいという考えを持っている方々だと思うのですが、大抵のMBA本は①例え読んだとしても仕事には全く活かせない、そして②MBAで実際に行われている授業内容とは似ても似つかない、ことばかり書いてあるので、結果としてこれらの本を読んだ人に「MBAは仕事に役立たないし、授業内容もショボい」という誤った認識すら与えかねない危険性すら孕んでいます。

ただ、それらのMBA本の中でもグロービスの出版している「グロービスMBAシリーズ」の本は比較的内容のまともなものが多いと言えるのですが、これらの本ですら②「MBAではいったいどのようなことを学んでいるのか興味がある」という疑問にようやく応えうるくらいで、①「これらの本からMBAのエッセンスを吸収し、仕事に活かしたい」の要求に応えるのは厳しいと思います。

ということで、今回は私が今までのMBA生活の中で読んだ「日本語で出版されている」かつ「MBAレベルと呼ぶにふさわしい内容を備えている」そして「実際の仕事においても役に立ちうる」と思うに至った書籍を少し紹介してみたいと思います。

★ ストラテジー関連 ★

企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続

企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続

  • 作者: ジェイ・B・バーニー
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2003/12/05
  • メディア: 単行本


企業戦略論【中】事業戦略編 競争優位の構築と持続

企業戦略論【中】事業戦略編 競争優位の構築と持続

  • 作者: ジェイ・B・バーニー
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2003/12/05
  • メディア: 単行本


企業戦略論【下】全社戦略編 競争優位の構築と持続

企業戦略論【下】全社戦略編 競争優位の構築と持続

  • 作者: ジェイ・B・バーニー
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2003/12/05
  • メディア: 単行本

このブログでも何度か紹介しましたが、米ビジネススクールにおけるストラテジーの定番的教科書であるJay B. Barneyの「Gaining And Sustaining Competitive Advantage」、その翻訳版が上記の「企業戦略論」シリーズです。

私自身がMBAで学び始めてから読んだ本の中で一番面白いと思ったのが本書であり、その網羅性、実用性、読みやすさから言っても、日本語で読めるストラテジー関連の本の中では費用対効果はピカイチなのではないでしょうか。

企業に勤めている方で、自分の会社のストラテジーというものについて一度考えてみたいと思っている方に是非お勧めしたい本です。

★ 統計学関連 ★

ビジネス統計学【上】

ビジネス統計学【上】

  • 作者: アミール・アクゼル, ソウンデルパンディアン・ジャヤベル
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2007/03/16
  • メディア: 単行本

ビジネス統計学【下】

ビジネス統計学【下】

  • 作者: アミール・アクゼル, ソウンデルパンディアン・ジャヤベル
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2007/03/16
  • メディア: 単行本

本書籍もまた、米MBAの定番的教科書である「Complete Business Statistics」という書籍の日本語翻訳版です。

去年3月に出版されたばかりの本書ですが、おそらく今後のMBA留学生必携の統計本となるのではないかというくらいの優れたクオリティです。上下巻併せて約900ページという大ボリュームにより、ビジネスに関連する統計トピックの殆どをカバーしており、内容に関しても、実際のビジネスシチュエーションにおいて如何に統計概念を利用してソリューションを導き出すか、という点に主眼を置いた非常に実践的なものとなっています。

Finance, Marketing, Operation等あらゆる分野を学ぶ際のリファレンスとして机の傍らに置いておくことにより、絶大な力を発揮してくれること請け合いの本書、理系向けのマニアックな統計本を読んで深い統計の森に迷い込んでしまった人に是非お勧めです。

★ オペレーション関連 ★

シミュレーション―ARENA活用した総合的アプローチ

シミュレーション―ARENA活用した総合的アプローチ

  • 作者: W.D. ケルトン, D.T. スタロック, R.P. サドウスキー
  • 出版社/メーカー: コロナ社
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 単行本

バブコックのオペレーションの授業においてオペレーション・シミュレーションの教科書として使用されていた「Simulation with Arena」の翻訳版ですが、オペレーション・シミュレーションの定番ソフトウェアである「ARENA」の試用版のCD-ROMが同梱されており、手軽(?)にシミュレーションを学ぶことができるようになっています。

オペレーションにおけるシミュレーションとは・・仕掛品がどのような統計的分布によって流れてくるか、各生産プロセスにおける処理能力は毎分幾らか、各生産プロセスはどのような優先順位、条件で仕掛品を受理していくか、といった様々な条件を定義し、シミュレーションを組むことによって、プロセス全体における在庫の滞留時間、生産プロセスの稼働率、理論的生産高等を弾き出し、それらの数値に基づいてプロセス全体の問題点を検討していくというものです。

今までに習った統計概念をフルに駆使してオペレーションを数的に分析する、という点においてこのシミュレーションというのは非常にエキサイティングなのですが、如何せん内容がハードすぎて、授業の終盤はちょっと授業についていけなくなっていた部分があります・・。

というわけで、そんなオペレーション・シミュレーションをみっちり学びたいというハード・コアな統計マニアにとってはうってつけの一冊ですね。

今回もまた記事が長くなってしまったので、次回Part2、ファイナンス&マーケティング編に続きたいと思います・・。


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楽しいことだけやればいい [MBA]

ようやく、ついに今期最大の懸念であったICPⅡ(Internationak Comepetitive PolicyⅡ)の授業のレポートが終わりました。

32ページという、日本語でも卒論以外で書いたことの無い量のレポート、しかも戦略論について書くということで、書き始める前からずっと不安だったのですが、なんとか自分の納得のいく(?)内容で仕上げることができました。

ICPⅡという名の通り、去年にICPⅠの授業もあったのですが、最後の試験で完全撃墜され、唯一「C」の成績をつけられてしまった苦い経験があります。

Internationak Comepetitive Policyという科目名からはあまり推測がつきませんが、いわゆるストラテジー(企業戦略)の授業で、それなりに試験の対策はしていったつもりだったのですが、3時間の試験時間内に5ページ、12個のミニケーススタディを読んでそれぞれのケースについての企業戦略分析を行うという、難易度、時間的制約、英語運用力のそれぞれに最高レベルの厳しさを備えたテストでした。

やはりインターナショナルの生徒、特に東アジア人にはかなり無理のあるテストだったようで、周囲にも私同様に派手に散った人がずいぶん沢山いたようです。

教授はRam Baliga(通称ラム☆)というバブコックの中でも実力は筆頭格と言われるインド人の先生で、見た目からしてインドの山奥で修行してダイバダッタの魂宿したような顔をしており、生徒へもけっこう厳しいことを言います。

授業のしょっぱなから「オレ様は結果しかみないからね。こんなに努力したとか、そういうことはオレ様には関係ないから」とのたまったり、授業のディスカッション中にも「もうちょっと頭使えないの?」とか「お前らのセクションはマジでイケてない」「お前ら、授業料ドブに捨ててるね( ´,_ゝ`)プッ」とか、かなり挑発的な発言を連発します。でも確かに彼の記憶力、論理力というのはちょっとすさまじく、授業中はその圧倒的な知識量とロジックで常に生徒を圧倒し続けます。なんで、言われた側もただ恐れ入るしかない・・みたいな感じで、結果として生徒からの人気は意外と高いようです。

で、話がそれましたが今回のレポートの課題は「自分が卒業後に働く予定の業界、またその中の特定の企業を取り上げて、その市場環境、従来戦略、将来戦略について分析せよ」というもので、「ページ数は特に定めないけど30~40ページは欲しい。あと、レポートは全て自分の頭で考え、自分の言葉で書け。カンパニーヒストリーとかのダラダラしたDescriptive(説明的)な描写で字数を稼ぐやつには生まれてきたことを後悔するくらいの目に遭わせてやる(注;意訳です)」、とのことで、完成にはかなりの時間がかかることが当初から予想されていました。

私自身、英語でこの分量のレポートを書く構成力に自信がなかったので、エクセルで主要なトピックや使用するフレームワーク(5フォース等の分析ツールのことです)をボチボチとまとめていき、ライティング自体ははまとまった時間に一気にやろうと考えており、サンクスギビング休暇の5日間をまるまるこれに費やしました。

書くこと、構成はだいたい既に考えてあるとは言え、やはり戦略論ということで非常にロジカルな内容を要求されるので、私の英語力では一日の生産量は7ページ程度が限界。一枚一枚、まさに命を削るようにして書き続け、休暇の最終日になんとか魂の傑作(?)を完成させることができました。

で、この過程で気づいたこと(SouthPark的に言うと「You Know, I Learned Something Today」)が、「楽しいことをやるのは疲れない」という(当たり前の?)ことです。

手をつける前は憂鬱でしょうがなかったこの課題ですが、いざ書き出してみると、英文を書くことの精神的・肉体的消耗はあるものの、授業で習ったフレームワークを自分の会社(私は社費なので自分の会社の戦略、業界分析について書きました)に当てはめて見ると、想像以上にいろいろなものが見えてくるものです。

飲みの席なんかでよく言う「うちの会社は~がダメだよな」とか「~だけは他の会社と比べても強いんだけどね」とか「~社が本気出したらうちの会社なんてイチコロだよ」とか、そういった現場レベルで感じる会社の強み、弱みというものを(勿論情報の精度は高くないといけないですが)ポーターの5フォースやVRIO等のフレームワークに即して企業戦略の座標にプロットしていくことによって、それぞれの因果関係、潜在的脅威、企業の突破口、あるいは袋小路というものが可視化されてくるわけです。

企業戦略というのはとかく総花的あり論理的であって、私のように頭の回転が水車小屋の石臼並みに鈍重な人間にはとっつきにくい代物と思っていたのですが、フレームワークをじっくりと現実に当てはめながら考えていくことによって、ある程度の蓋然性を持った戦略分析を行うことができるのではないかという知見を得られた気がします。

地頭の良い人の中にはフレームワークを使わなくてもそれなりに切れ味の良い戦略分析ができる人もいるとは思うのですが(ラム☆も別に絶対フレームワークを使えとは言っていない)、むしろこの課題では、愚直にフレームワークを使って分析を行ってみることによって、その汎用性、網羅性を実感し、自分の頭だけでは追いきれない視点があることを認識し、その部分をフレームワークを使って補完していく、そういう実習的な作業を通じてフレームワークの有用性を実感し、実践への足がかりとすることに意義があるんではないだろうか?そんなことを思いました。

MBAにおけるフレームワークの重要性というのは最近よく考えるようになったポイントなのですが、これについてはまた後日、別の形で説明できればと思います。

で、また話が逸れてしまいましたが、いくら負荷の高い作業といえど、楽しい事であれば疲れない、ということを今回の課題で殊更に実感しました。仕事が忙しくてもやりがいがあれば我慢できるのと同じことでしょう。そして逆に、MBAという場で自分がつまらないことをやるのは本当に意味がない、と思いました。

現実世界の仕事の中でつまらないことをやらされるのはしょうがないことだけど、MBAという場はきっとアカデミックの世界ではなくて、現実世界で役に立つことだけ、明日のメシの種を稼ぐのに役立つことだけを学ぶ場であるはずです。そのような場所で、学んでつまらないと感じる課題、あるいは授業は、きっと自分のメシの種にはならないことなのだと思うのです。

「算数なんてつまらない、意味が無い」とぼやいてる小学生ではあるまいし、我々MBAの学生は、四則演算どころか回帰分析や自然対数の概念までが現実の世界、ビジネスの場に深く根ざしているものだということを知っている。学問の必要性に対するリテラシーは既に最高度に高まっているわけです。そのような状態でもまだつまらないと感じるものは、おそらく現実世界には関係のない、きっとMBAでは学ぶ必要のないことなのでしょう。

また長い文章になってしまいました・・・。要するに今回のもうひとつの「You Know, I Learned Something Today」は、「次のセメスターでも、楽しいと思える授業を取りたい、取らなければいけない」と思ったということです。あまり締まりのない結論になってしまいましたけど。




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開けると臭うかものコインロッカー [MBA]

え~と、それでは昨日(笑)の続きです。

で、10日ぶりくらいに学校のプールに泳ぎにいったわけなのですが、こっちのプールというのはまず更衣室からしてトラップが仕掛けてあるわけです。

アメリカの公共施設のロッカーというのは、日本みたいに輪ゴムがついてて手首にはめておける鍵なんてものはついてなくて、大抵は自前の鍵を持っていって施錠します。なので、一見の人で自前の鍵を持って来ていない人は、この時点で「ハイ、消えたぁ!」となります(もちろん私も一度目はこれにやられました)。

なので、まずはホームセンターとかに行って鍵を買ってこないといけないわけなのですが、こっちには日本みたいな鍵のついたシリンダー錠とか3桁の数字を揃えるタイプのは無くて、金庫とかについてるダイヤル錠(マンガとかで金庫破りがよく挑戦してる、右に何回、左に何回とか回転させて開けるやつ)が主流になっています。

これが中々のくせもので、3桁の数字を合わせる錠と違い、この右or左と数字の組み合わせを覚えるのが30代に差し掛かったスポンジ脳の私には非常に手ごわい代物なのです。

というのも、学校内にある私物収容用の個人ロッカーにも同じようなダイヤル錠がついており、この組み合わせとプール更衣室用に買ったダイヤル嬢の組み合わせが自分の頭の中でゴッチャになってしまうのです。(例えば、右2→左4→右6と右3→左5→右7の組み合わせが右2→左5→右6みたいに頭の中で混ざってしまう)。

で、この日も更衣室で施錠をする前に、携帯のメモリに入れておいた自前の鍵の組み合わせを確認し、頭の中の短期記憶領域にインプットしておいたわけです。

で、40分ほど泳いできた後に、その記憶を呼び覚ましてダイヤル錠をまわしてみたのですが・・

開かない・・・

気を取り直してもう一度丁寧に試してみるのですが、やはり開く気配は一向に無し・・。

「落ち着け、落ち着くんだ・・」内なる自分の声に耳を傾け、自分の頭にある3つの数字の全ての組み合わせを試してみますが、相変わらずつれない反応のダイヤル錠・・。やり場のない怒りで顔がだんだん熱くなってきます・・。

どうやら、今の自分の頭の中にある3つの数字のうち、少なくとも1つの数字が間違っているという疑いが濃厚になってきました。あるべき本当の数字が水泳中に何かの拍子で上書きされてしまったようです。

「解き放たれろっ!今の自分から・・ありのままの自分を取り戻すんだっ・・」

自分の内なる声も、だんだん混乱してきているようです。と、そこへ自分ひとりだった更衣室へ、同じく水泳を終えた白人男性が帰ってきました。

「もしかしたら彼がこの状況を助けてくれるのではないか・・?」

藁どころか、かいわれ大根にすがるくらいの絶無に近い可能性にまで依存するほど心が弱くなっている自分に驚きます。おそらく海パン一丁というこの上なく身体的に無防備な状態に置かれている事が精神にも作用しているのでしょう。

白人男性は私がこれみよがしに鍵が開かないというリアクションをしていることに気づいてはいたようですが、こともあろうか「Good Luck!!」という無常極まりない言葉と、無意味なくらいにいい笑顔を残して去っていきました。

この時点で更衣室に戻ってきてからおそらく15分近くが経過しており、さすがに私ももう鍵が開く可能性はあきらめ、今後の行動オプションを模索し始めました。

1、知り合いに電話して助けてもらう
2、家に帰り、なんとか体勢を整える
3、体育館の警備員に頼んで鍵を壊してもらう

の3つのオプションが思いついたのですが、1のオプションに必要な「携帯電話」と「知り合いの電話番号」、2のオプションに必要な「車の鍵」、あるいは「靴」さえも、全てこの硬く閉ざされたロッカーの中に眠っています。

というわけで、今の私に残されたオプションは、3のみです。体育館の警備員の詰め所は2階の正面入り口の辺り。現在位置は地下の更衣室。

海パン一丁でその距離を移動するのか・・この10月も半ばのこの季節に・・。というより、施設内をこんな格好で歩いてたら警棒で叩きのめされたりはしないのだろうか?・・色んな不安が頭をよぎります。

しかし、とにかく寒くなってきたのでもうそこに行くしかありません。人気の無い廊下や階段を裸足でペタペタ歩いていきます。それがまたなんというか、非常に心もとないというか、情けないというか恥ずかしいというか・・とにかくブルーな気分です。映画「ターミネーター」の冒頭で裸で歩かされているシュワルツネッガーの気持ちが分かる気がしました。

で、無事に警備員の詰所まで辿り着き(警棒で殴られることも無く)、事情を説明せんと試みます。

私;「Ah~, sorry I forgot password for my locker...」

警備員;「What? password?」

(ああそうか、パスワードというのとは違うな・・じゃあなんて言うんだろう?)

私;「Ah~, I mean..like..eight to right, six to left, again four to right or blah-blah-?」

(あ~っ、ブラブラの使い方全然間違っとるな~)

警備員;「・・・?」

私「So...I can't open the door of my locker because I'm little bit messed up..」

警備員;「Oh~! You lost your conbination right?」

(それだ~っ!!そうか、コンビネーションっていうんやな~)

私;「Ye~s!! That's it!!」

というわけで、体育館の入り口で海パン一丁で警備員と低レベルなやりとりをした甲斐あって、警備員が巨大ハサミ(刑事ドラマとかでマンションに強制捜査に入る時にドアチェーンをぶった切るアレ)を持ってきて、私のダイヤル錠を破壊してくれることになりました。

私;「これが僕のロッカーの鍵だよ。これを壊して欲しいんだ」

警備員;「よ~し、任せろ!」

警備員が巨大ハサミを振り上げ、私のダイヤル錠のロックする部分をガッチリ挟みます。

警備員;「せ~のっ、ふんっっっ!!!」

巨大ハサミに渾身の力を込める警備員

警備員;「ぬう~っっっ!!!」

その姿を祈るような気持ちで見つめる私・・

警備員;「ふ~むっっっーーー・・・・・・」

警備員;「ん~っ・・・・・・・。う~ん、これ無理だわ・・」

私の心の声;「なんでやね~んっ!!」

警備員;「うんうん・・これは無理だね」

私;「いやいやちょっと待ってくださいよ、無理ってじゃあ私はどうなるんですか?今度は私にやらせてくださいよ。」

こういうときのアメリカ人の諦めのよさ(というか親身の無さ)は身にしみているので、あと頼れるのは自分自身の力だけです。三十路を超えたとはいえど、柔道と水泳で鍛えた広背筋にだけは未だ自信があります。

私;「よ~し・・・。ぐぁ~~~~っっっ!!!」

・・・ということで、文字通り火事場のクソ力でダイヤル錠を見事粉砕し、およそ2時間ぶりに再び服を着ることが出来たわけです。服はやはり暖かかったですね。服っていいもんだと思いました。

そういうことで、どうでもいい話ほど長くなるというか、もう少し話を簡潔にできないものかと思いますが、まあそういう出来事があったということが言いたかったのです。ちなみにこの事件以来、プールに行くときはロッカーの鍵はかけないことにしました。貴重品は全部車の中において、車の鍵だけプールサイドにタオルとかと一緒においておくことにしました。勿論私の服を盗む人なんていないので・・。

やはりパソコンのバックアップとかもそうですが、重要な情報というのは常にバックアップを取るか分散して保管する等して、リスクをヘッジしておくべきですね。そうしないと本当に裸一貫からやりなおさなくてはならない破目になりますから。これからはくれぐれも気をつけたいと思います。


事件現場となったプールの更衣室。ちょっと臭います・・。


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限りなくどうでもいいに近いプール [MBA]

勉強に疲れたときや運動不足を感じた時などに、プールに泳ぎに行く事がよくあります。

私はかなづちというわけでは無いけれども、社会人になるまでちゃんと泳ぎというのを習ったことがなくて、一度、大学のサークルの合宿で海に行って、沖のブイまでなんちゃって背泳ぎで泳いでいったはいいものの、ブイに着いた途端に波が高くなって背泳ぎで帰ることが不可能になり、なんちゃってクロールで岸まで泳ごうとするも全くといっていいほど前進せず、そうしているうちに波のせいで岸の方向もわからなくなって、あぁ、私はこのままタコ八郎のように溺れ死んでしまうんだ・・思えばむなしい人生だった・・みたいな感じで非常に悲しい気分になっているところにライフセーバーの人が「だぁいじょうぶですかぁ~」と助けに来てくれ、そのときの私には「だぁ~いじょうぶだぁ~」と志村けんのように応える気力も無く、ライフセーバーの人が差し出してくれたロープで土左衛門のように海岸まで引っ張られて九死に一生を得た経験があります。

それから数年後、社会人になってから読んだ奥田英明の「イン・ザ・プール」という本(私は伊良部シリーズよりも「最悪」や「邪魔」のほうが好きですが)の表題作の中で、とあるサラリーマンがふとしたきっかけでプールで泳ぐことにハマっていくという描写になぜか非常に惹かれ、自分も無性にプールで泳いでみたくなり、海パンと水泳帽を買って会社の寮の近くにあった公営プールに行くようになりました。

最初は当然まったく泳げなかったのですが、会社の同期で大学水泳部出身の友人がいたので彼に色々教えてもらい、なんとかクロールだけはできるようになりました。

その後、なぜかクロールにはまって土日のどちらかは必ずプールに通うようになり、そのうち土日だけでは我慢できなくなって、ティップネスに入会して会社帰りにもプールに通うようになるという、まさに「イン・ザ・プール」の主人公と同じような展開でプールで泳ぐことにハマっていくようになりました。

そんなことを二年ほど続けていたせいで、クロールに関しては一時間に2000メートルくらいは泳げるようになったのですが、水泳部の友人が「まずはクロールが基本」といって平泳ぎや背泳ぎを教えてくれないままに寮を出てしまったので、今でもクロール以外の泳法で泳ぐ事ができません。

その後、結婚を機に一転して殆どプールに行かないようになり、Wakeに来てからも、プールは大学内にあるにも関わらず、勉強が忙しかったため去年は数えるほどしか泳ぎに行きませんでした。しかし二年目になった今、去年よりは時間があるのと、最近痛切に運動不足を感じるようになった為、時間があればなるべく泳ぎに行くようにしています。

と、ここまでが今日書きたかった出来事の単なる背後状況で、本題はこれからなのですが、ちょっと時間がないので続きは明日書くことにします・・(言っておきますが、別に二回に引っ張るほどたいした話ではありません・・)。

イン・ザ・プール

イン・ザ・プール

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 単行本

邪魔

邪魔

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: 単行本

最悪

最悪

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/02
  • メディア: 単行本


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アメリカの大学といえばアメフト!! [MBA]

アメリカの大学でのスポーツ観戦といえば、やはりアメフトが王道です。去年は残念ながら観に行く機会に恵まれなかったのですが、今年は運良くチケットを入手することができました。しかも相手はNC州に銀河帝国軍の如く強大に君臨するUNC(Univesity of North Carolina Chapel Hill)!!去年、同じカードのバスケットボールの試合を観戦しにいったものの、コテンパンにやられたところです。

試合はうちのアパートから車で5分のスタジアムで行われるので、試合開始30分前くらいにアパートを出たのですが、スタジアムが近づくにつれものすごい渋滞が・・。それもそのはず、Wake ForestとUNCと言えば、両校の現役学生や卒業生、あるいはその家族といった関係者の数の圧倒的多さから、おそらくWinston-Salem市内で行われるスポーツの試合の中では最大の集客数を誇る一戦のようです。

数万人の観客がみんなマイカーでやってくる為、駐車場もまさに芋を洗うような混雑っぷりで、どさくさにまぎれて、近場の民家が自分の家の庭を駐車場として貸し出したりしています(中には一日20ドルなんていう、ここらの相場からすると完全ボッタクリなところも)。


 ↑ 道路の中央分離帯にも違法駐車が続出するほどのアナーキーっぷり・・

なんとか車を駐車場に止めてスタジアムに近づくと、既に地響きのように鳴り響く観客の応援コールが聞こえてきます

そしてスタジアムの中は、まさしく満員御礼!!

右も左も、この広いスタジアムに人がぎゅうぎゅう詰めにあふれています。


観客も、まさしく老若男女勢ぞろいといった感じで、年端もいかない小さな子がWakeのTシャツを着ていたり、80歳にもなろうかというヨボヨボのおじいさんがUNCの旗をヨロヨロと振っていたりします。

しかし、肝心の試合は我らがWake Forestが完全に主導権を握る、ワンサイドな試合運び。それもそのはず、去年ACCリーグという南部周辺?の大学リーグで優勝し、飛ぶ鳥落とす勢いのDeamon Deacons(Wake Forestのアメフトのチーム名)と違い、UNCのアメフト部はバスケほどその知名度も実力もなく、はっきりいって弱いチームのようです。

試合はいよいよ横綱相撲といった感じに近くなり、盛り上がるのはWakeサイドの応援ばかり。今回ばかりはブルーのシャツを着たUNC軍団も沈黙気味です。

試合の途中のハーフタイムでは、お決まりの鼓笛隊によるパフォーマンスなどがあり、大学といえどもこの辺のショーマンシップはさすがに本場アメリカならではの気合を感じます。

前にも言ったように、Winston-Salemは青い空と深い森以外にはこれといって何もないところですが、かといってそこに住んでいる人たちがそんな環境に辟易しているかというとそういうわけでもなく、こんな風に、別に全国的にメジャーではないけれども、自分達のお気に入りのスポーツチームがあって、その応援を自分達なりに、とっても楽しんでいるようです。

試合の前にみんなで集まってお酒をのんでテンション高めたり(いわゆるTailgate partyというやつ)、大学には直接関係ない我が子を巻き込んで(笑)家族で観戦したり、試合の後にみんなでバーに行ってあの選手はダメだとかこの選手はawesomeだとかクダを巻いたりと、傍目から見てうらやましいくらい、みんなこの試合を思い思いの方法で、存分に味わい尽くしているようです。

そして相変わらずの抜けるようなこの青い空・・。

果たして東京に帰った後の私が、彼らノースカロライナ人のかくも最強なワークライフ・バランスに勝てる日は来るのでしょうか?このナチュラルボーンなスローライフっぷりに少しでも近づける日はくるのでしょうか?

・・少しでも近づけるよう、頑張りたい思います。


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MBA卒業後の年収? [MBA]

先日、学校の就職課より去年の二年生の卒業後の年収統計が発表されました。メールにはマル秘とか部外秘とか特に書いてなかったので、ちょっとこの場を借りて公表してみたいと思います。

まず最初に、MBAに入学する前の彼らの年収についてですが、

Mean(平均) ;$45,559
Median(中央地); $39,000

日本円($1=115円)に直すと、それぞれ520万、448万、となります。入学時の平均年齢がだいたい26~27歳なので、同年齢の日本の平均的なサラリーマンよりはやや高いですね。

そんな彼ら(彼女ら)の年収が、二年間のMBA課程の教育を修了した後では、

Mean(平均) ;$81,103
Median(中央地); $84,000

日本円($1=115円)に直すと、それぞれ932万(1.8倍)、966万(2.1倍)、となります。30歳にも満たない若者の給料としては、日本比で考えると破格な金額であります・・。

ちなみにおおまかな内訳としては

$90,000 - $110,000 39.3%
$70,000 - $89,999  39.3%
$47,000 - $69,999  21.4%

という感じで、実に40%近くの生徒が$90,000(日本円で一千万円以上)の年収を提示されていることになります。おそらく、$90,000以上の年収を提示された生徒の殆どが銀行、証券やコンサルティング等、いわゆる日本でも平均年収の高い業界にて職を得た人たちだと推測されます。

オペレーションやマーケティングの職種はそれよりもう少し低い年収になるようですが、それでも軒並み日本円にして800万以上の年収を稼ぐのだからたいしたものです。

ただし、これらの金額は健康保険や家賃補助等の福利厚生が殆ど付与されないという条件のもとの金額と推定されますので、手厚い福利厚生とはまた別口で年収が提示される日本と比べれば、同じ年収額面でも可処分所得は数割は違ってくると思います。特に、NYやLA等の大都会は家賃も強烈に高い(日本の1.5~2倍くらい?)ので、ウォール街等の大都会に職を得た人は、法外な家賃支出を余儀なくされると思います。

しかし、それにしてもすごい平均年収・・。二年間、学校に通うだけで幹部候補扱いとなり、かつこれだけの年収を提示されるというのは、ブルーカラーとホワイトカラーの待遇の差が殆どない日本のサラリーマンには異様な光景に映ります。

自分の帰国後の推定年収を考えると・・。




・・・・・・・・。






・・・・・・・・・・・・・・・・まあ同じくらいかな。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すいません、今、ものすごい嘘をつきました・・・。



バブコックの学費は二年で$60,000くらいするのですが、これらのデータを見ると、十分費用対効果はありますよね。っていうか、入学試験で優秀な成績を納めた人はこれらの学費すら全額免除されるケースもあるのですが、そういう人の人生って一体なんなんでしょうね?っていうかむしろ自分の人生って一体なんなんだろう・・・?

MBAにいると、本当にお金のことについてよく考えさせられる・・そんな風に思った秋の一日でした。


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女三人寄れば姦しい [MBA]

今期履修している授業の中で一番面白いと思ってるのが「Marketing Research」のクラスです。

本授業は、決して自分からは物言わぬデータ(数字)というものを、基本的な統計学の枠組みを用いることによって実に多くのことを語る存在へと変えていくという、非常にファンタスティックな授業です。

一年次に学んだ統計学の理論的ベースを背景に、統計ツール(JMP)を用い、ビジネスにおける意思決定の要となる数的分析を行っていく・・、う~ん、これこそMBA!!という感じで、なんか頭が良くなった気にさせてくれます。

しかしこの授業、一つ難を言うとするならば、グループワークが非常に多いことです。チームレポートが3回+プロジェクトの打ち合わせが無数、ということで、今のところ毎週1、2回のペースでミーティングを開いている感じです。

で、この授業におけるチームというのは教授が授業のはじめに勝手に決めたものなのですが、私のチームは

アメリカ人女性(白人)3人+私

という、ものっっっすっっっごっっくやりづらいチームになっています。

文化的なdiversity(多様性)のかけらもないというか、この場合私自身がdiversityそのものなのですが、この比率ではもはやdiversityというよりもむしろ異分子・・異邦人・・っていうか場違い?とにかく、ミーティング中も常に落ち着かないというか、居心地が悪いというか・・。

ここバブコックはGraduate Schoolとはいえど、彼女らは年齢もまだ20代中盤なので、ミーティング中のノリはいわゆるまんま「女子大生」という感じです。

レポートの打ち合わせをしていても(幸いなことにレポートは完全に統計学、数的分析の類なので、英語が下手な私といえどもチームへの貢献は比較的やりやすいです)、まず打ち合わせ開始時間からたっぷり15分はSmall Talk(世間話)、それが終わってようやくよしやるかと思ったら、またいつの間にかSmall Talk・・というパターン。

私「え~と、ワタクチはですね・・今回のケースではTwo-way ANOVAを使うのがよいではないかと・・なぜなら・・(以下たどたどしく説明が続く)」

女生徒A「そうね、agreeだわ・・っていうかそういえばさぁっ!知ってる?Derrickってさ~(以下無駄話始まる)」

女生徒B&C「え~っ!!マジで~!?(以下、数分ほど無駄話が続く)」

私「・・・」

女生徒A「ウップス、ちょっと話が逸れたわね・・で、なんだっけ?」

私「でありますから、Variance Analysysの結果を踏まえたワタクチの結論はですね・・」

女生徒A「あらやだっ、ちょっとこのメールみてみなさいよっ!」

女生徒B&C「ちょっ!!何これ!?マジヤバ~イ!!(以下、再び無駄話が続く)」

私「・・・」

みたいな感じで(注;多少の誇張を含んでいます)、まさに女三人寄れば姦しいというか、ミーティングという小宇宙空間の中で私一人が三千億光年くらい彼方に置いていかれているというか、とにかくもう帰らせていただけませんか?な感じの集まりになっています。

勘違いしないで欲しいのは、彼女達一人一人はとても優秀で、人格的にも実に尊敬できる人達だということです。ただ、如何に個々人レベルでそのような優れた人間性を持っていようとも、それが複数集まった場合、即ちy=b0+b1(female student1)+b2(female student2)+b3(female student3)というモデル条件下においては、何故か必ずエントロピー増大に伴うミーティング運営困難状態が発生するようです。

私も若い女性向けのスラング(俗語)でも覚えて彼女らの話に入ってみようかとも思うのですが・・・まあもうちょっとよく考えたいと思います・・。


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Mini1の時間割 -後編の後編- [MBA]

前回はつい興奮のあまり話が脱線してしまいましたが、続いて残りのMini1履修科目を紹介していきたいと思います。

Marketing Research
Instructor; Derrick Boon

サラリーマンたるもの、どんな会社、どんな部署にいようとマーケティング的なものの見方は必要となってきます。また、マーケティング部署にいた人は勿論のこと、営業や企画部門にいたことのある人なら、必ず何度かは何かしらのデータを元に、マーケティング的な意思判断を迫られる経験があったはずです。

ただ、数的分析に関しては、よほどバリバリのマーケティング部署にいる人でもない限りは、せいぜいチャートやヒストグラムなんかをエクセルで作ってここが増えてるとか減ってるとか、その程度の意思判断をするくらいではないでしょうか?(まあ実務上はそれで9割くらいは事足りると思うのですが・・)。

本授業は、SPSSやJMPといった統計解析ソフトを用い、集計されたデータからいったいどこまでの傾向の分析や将来予測ができるのかを統計的に導くものです。

つまり、先日紹介したBusiness Process Managementと同様に、この授業も100%バリバリ統計の授業です。仮説検定、分散分析、クラスター分析、実験計画法・・等々、去年のQuantitative Methodsの授業でなんとかやりすごしたと思ってた難物が

「また会えたね」

みたいな感じでふたたび舞い戻ってきます。しかもよりパワーアップして・・。

思えば高校一年の時に数学が嫌いになって私大文系コースに進んだ私でしたが、その後、大学(経済学部)では微分積分、線形代数、統計学が必修授業(そのくせ今はもう学んだことを一切覚えていない)、MBA受験ではGMATの為に中高の数学を徹底復習、そしてMBAではもう殆ど統計学専攻、みたいな感じになっている・・こんなことならせめて大学受験の時に、国立文系コースで文系数学くらいしっかりやっておけば良かったと思います・・。

・・まあそんな愚痴はどうでも良くて、最後の残りの一科目が

Health Care Industry
Instructor;Joanne Ruhland

私は実は卒業後はヘルスケア関連の職種に就くことが目標なので、バブコック内で開講されているヘルスケア関連の科目は全て履修するつもりなのですが、その第一弾がこれ。

先生のJoanneはウェイクフォレスト付属病院に勤めている女性(ちなみにMBAホルダー)で、週に一回、3時間の集中講義で実務経験をベースにアメリカのヘルスケア産業について横断的にレクチャーを行ってくれます。

しかしこの授業、実は面白くない・・。

先生自身は性格もよく、教育にも熱心ないい人なのですが、なんせ3時間、板書もパワーポイントも何もなしにただひたすら一方的にスタンダップコメディアンのように喋り倒すので、徐々に脳みそが機能しなくなってくるみたいです。

なんというか、あまりMBAっぽくないというか、大学の一般教養みたいな感じの授業です。

ぶっちゃけ、最終試験もなくて楽な授業なのですが、やっぱり高い授業料払って(会社に出してもらって)楽な授業受けてもしょうがないので、というか色んな意味で勿体無いので、こういうのはよくないな~と思うわけです。同講師の授業はMini3にも開講されており私も先行登録はしているのですが、ちょっと今から考え直してみようかと思っています。

というわけで、以上がMini1に履修する5科目になります。それにしてもさらっと説明しようと思っていただけなのに、なぜこんな3部作もの長編になってしまうのか・・。


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Mini1の時間割 -後編の前編- [MBA]

というわけで、前回(Mini1履修科目の紹介)の続きです。

Business Process Management
Instructor; Scott Shafer

出た!バブコックNo1のすっとこどっこい、スコットの授業です。以前の記事でもお伝えしたように、彼は外見はロマンスグレーのナイスミドルで好印象ですが、その他の点、特にPersonalityというやつに多少の難を抱える教授です。

ただ、ここ二週間ほどの授業を受けた印象では、去年よりもだいぶ親切で感じのいい授業にはなってきている気がしています。夏休みの間に何か彼を人間的に成長させるような出来事でもあったのでしょうか・・謎です。

で、この授業はもう完全になるほど!ザ統計ワールドといった感じで、スコットの「I Love Stat」っぷりっがうっとうしいくらい伝わってきます。

授業前半であるMini1ではMInitabという統計解析ソフトを使ってSix Sigmaの核であるCapability AnalythisやDesign of Experiments、ANOVA等を去年よりも深く掘り下げていき、後半のMini2では同様にMinitabを使ってSimulationやModeling?を行うとのことです。

授業はほぼ統計概念の説明とMinitabを使っての問題演習ばかりですが、こういうハードスキルの授業は勉強していてあまり苦にならないというか、やはり将来、実際の仕事で使える可能性があるということを考えると、勉強にも自然と身が入ります。

しかしこの授業でうっとうしいのがクイズで、一回目の授業で彼は毎回の授業におけるポップクイズ実施の可能性は50%だと言ってたのですが、これがどうやって決定されるかというと、授業のはじめにスコットがエクセルで作った「クイズ有る無し決めマクロ(←今適当に決めた名前)」に「50%」という数字をインプットすると、実際にマクロが50%の確率でランダムに有る無しの回答をはじくというものなのです。つまり、毎回ランダムに50%の確率でクイズが実施されるため、毎回クイズがあるものと想定して、必死こいて勉強して授業に臨まなければならないわけです。しかも彼は後付けで、前回クイズがなかった場合はその次の授業以降は60%、70%という具合に10%ずつ可能性が上乗せされるという、嫌過ぎる創意工夫をするわけです。

で、そんなスコットが主催するプロジェクトベースの授業がこれ↓

Six Sigma Practicum
Instructor; Scott Shafer

一年次にIntorduction for Six Sigmaを履修した人向けの授業で、実際の企業や自治体等においてSix Sigmaプロジェクトを行う実習科目です。

プロジェクトはスコットが探してきてくれるのですが、今のところガラスメーカー、チリソースメーカー、大学付属病院など、なかなか面白そうなプロジェクトが挙がってきています(まだ個々人にアサインされてはいないのですが)。

しかしこの授業、当初はチーム単位でプロジェクトをこなすものと思っていたのですが、よくよく聞くと完全に個人ベースで行うもののようで、かなりビビっています。つまり、アメリカの企業に行って、ヒアリングして、現場を見て、データを集めて分析して、そのフィードバックを現場に下ろして・・という一連のプロセスを英語で、一人でやらねばならない訳です。う~ん、完全にオーバーキャパシティな気が・・これはいざとなれば通訳でも雇うしかないな・・。

と、今回も長くなってしまったので、残りの二つはまた次回に繰り越したいと思います。





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