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MBA(経営学)を独学で学びたい人の為の教科書(テキスト) Part 1 [MBA]

日本の本屋にも最近は「MBA流~」とか「MBA~術」など、MBAの名を語る本をよく見かけます。

が、実のところ、これら「MBA」の名前を冠した本の95%以上は買うに値しないものだと思います。何を隠そう私自身、こういった類の本を少なからず購入したことがあるのですが、ひとつとしてタメになると思えた本がありません・・。

理由としては

「内容が浅すぎる」

これにつきると思います。

こういった類の本を買う人の殆どは

①「これらの本からMBAのエッセンスを吸収し、仕事に活かしたい」

あるいは

②「MBAではいったいどのようなことを学んでいるのか興味がある」

というような、独学でMBAについて学びたいという考えを持っている方々だと思うのですが、大抵のMBA本は①例え読んだとしても仕事には全く活かせない、そして②MBAで実際に行われている授業内容とは似ても似つかない、ことばかり書いてあるので、結果としてこれらの本を読んだ人に「MBAは仕事に役立たないし、授業内容もショボい」という誤った認識すら与えかねない危険性すら孕んでいます。

ただ、それらのMBA本の中でもグロービスの出版している「グロービスMBAシリーズ」の本は比較的内容のまともなものが多いと言えるのですが、これらの本ですら②「MBAではいったいどのようなことを学んでいるのか興味がある」という疑問にようやく応えうるくらいで、①「これらの本からMBAのエッセンスを吸収し、仕事に活かしたい」の要求に応えるのは厳しいと思います。

ということで、今回は私が今までのMBA生活の中で読んだ「日本語で出版されている」かつ「MBAレベルと呼ぶにふさわしい内容を備えている」そして「実際の仕事においても役に立ちうる」と思うに至った書籍を少し紹介してみたいと思います。

★ ストラテジー関連 ★

企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続

企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続

  • 作者: ジェイ・B・バーニー
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2003/12/05
  • メディア: 単行本


企業戦略論【中】事業戦略編 競争優位の構築と持続

企業戦略論【中】事業戦略編 競争優位の構築と持続

  • 作者: ジェイ・B・バーニー
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2003/12/05
  • メディア: 単行本


企業戦略論【下】全社戦略編 競争優位の構築と持続

企業戦略論【下】全社戦略編 競争優位の構築と持続

  • 作者: ジェイ・B・バーニー
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2003/12/05
  • メディア: 単行本

このブログでも何度か紹介しましたが、米ビジネススクールにおけるストラテジーの定番的教科書であるJay B. Barneyの「Gaining And Sustaining Competitive Advantage」、その翻訳版が上記の「企業戦略論」シリーズです。

私自身がMBAで学び始めてから読んだ本の中で一番面白いと思ったのが本書であり、その網羅性、実用性、読みやすさから言っても、日本語で読めるストラテジー関連の本の中では費用対効果はピカイチなのではないでしょうか。

企業に勤めている方で、自分の会社のストラテジーというものについて一度考えてみたいと思っている方に是非お勧めしたい本です。

★ 統計学関連 ★

ビジネス統計学【上】

ビジネス統計学【上】

  • 作者: アミール・アクゼル, ソウンデルパンディアン・ジャヤベル
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2007/03/16
  • メディア: 単行本

ビジネス統計学【下】

ビジネス統計学【下】

  • 作者: アミール・アクゼル, ソウンデルパンディアン・ジャヤベル
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2007/03/16
  • メディア: 単行本

本書籍もまた、米MBAの定番的教科書である「Complete Business Statistics」という書籍の日本語翻訳版です。

去年3月に出版されたばかりの本書ですが、おそらく今後のMBA留学生必携の統計本となるのではないかというくらいの優れたクオリティです。上下巻併せて約900ページという大ボリュームにより、ビジネスに関連する統計トピックの殆どをカバーしており、内容に関しても、実際のビジネスシチュエーションにおいて如何に統計概念を利用してソリューションを導き出すか、という点に主眼を置いた非常に実践的なものとなっています。

Finance, Marketing, Operation等あらゆる分野を学ぶ際のリファレンスとして机の傍らに置いておくことにより、絶大な力を発揮してくれること請け合いの本書、理系向けのマニアックな統計本を読んで深い統計の森に迷い込んでしまった人に是非お勧めです。

★ オペレーション関連 ★

シミュレーション―ARENA活用した総合的アプローチ

シミュレーション―ARENA活用した総合的アプローチ

  • 作者: W.D. ケルトン, D.T. スタロック, R.P. サドウスキー
  • 出版社/メーカー: コロナ社
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 単行本

バブコックのオペレーションの授業においてオペレーション・シミュレーションの教科書として使用されていた「Simulation with Arena」の翻訳版ですが、オペレーション・シミュレーションの定番ソフトウェアである「ARENA」の試用版のCD-ROMが同梱されており、手軽(?)にシミュレーションを学ぶことができるようになっています。

オペレーションにおけるシミュレーションとは・・仕掛品がどのような統計的分布によって流れてくるか、各生産プロセスにおける処理能力は毎分幾らか、各生産プロセスはどのような優先順位、条件で仕掛品を受理していくか、といった様々な条件を定義し、シミュレーションを組むことによって、プロセス全体における在庫の滞留時間、生産プロセスの稼働率、理論的生産高等を弾き出し、それらの数値に基づいてプロセス全体の問題点を検討していくというものです。

今までに習った統計概念をフルに駆使してオペレーションを数的に分析する、という点においてこのシミュレーションというのは非常にエキサイティングなのですが、如何せん内容がハードすぎて、授業の終盤はちょっと授業についていけなくなっていた部分があります・・。

というわけで、そんなオペレーション・シミュレーションをみっちり学びたいというハード・コアな統計マニアにとってはうってつけの一冊ですね。

今回もまた記事が長くなってしまったので、次回Part2、ファイナンス&マーケティング編に続きたいと思います・・。


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